建築士・建築家・設計士の違い┃何が違うの?

建築士・建築家・設計士の違いをチェック。
それぞれの肩書きや呼び名に関する特徴を確認していきます。

さくら
さくら

家を建てるにあたって、出会う建築職の数々。
それぞれの方には肩書きや呼び名が存在していますが、その違いって何だと思いますか?
今回はその違いについて、ちょっとだけ詳しく解説していきます。

建築士、建築家、設計士。
英訳ではどれも「architect」となり、そこに違いは存在していない。
しかし、本当に違いはないのか。
家づくりや住宅購入で出会う人はどんな人たちなのか。
今回は、その部分について、少し詳しく、根拠もあわせて確認していく。

国によって異なる考え方の部分があるので、「日本国」に絞ったお話としています。

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建築士とは

けんちく‐し【建築士】
建築士法所定の国家試験により免許を受け、設計・工事監理などの業務を行う技術者。国土交通大臣の免許を受ける一級建築士と、都道府県知事の免許を受ける二級建築士・木造建築士がある。

広辞苑より

広辞苑の定義を踏まえると、建築士は国家試験を合格したうえで、免許を受けた技術者しか名乗ることが出来ないものとなっている。

これは明確に法律で決められていることであり、軽い気持ちで建築士を名乗ると罰せられる可能性があるので、注意が必要である。

さくら
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名称、罰則に関する部分については、実際の法律との関係を以下に紹介したいと思います。

「建築士」に関する名称と法律の関係

建築士の名称に関する部分については、建築士法に記載されている。
名称に関して記述してあるのは、第二条「定義」の部分である。

建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)

第二条 この法律で「建築士」とは、一級建築士、二級建築士及び木造建築士をいう。

 この法律で「一級建築士」とは、国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。

 この法律で「二級建築士」とは、都道府県知事の免許を受け、二級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。

 この法律で「木造建築士」とは、都道府県知事の免許を受け、木造建築士の名称を用いて、木造の建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。

建築士法 第二条 第1項~第4項までを引用

建築士法では、「建築士」を一級建築士、二級建築士および木造建築士の免許を受けている人としている。

「建築士」に関する名称と法律における罰則

罰則内容に触れる前に、上記の”「建築士」に関する名称と法律の関係”で紹介した名称の定義に加えて、もう1つ法律で指定されている条文があるので、先に紹介する。
先に紹介する条文は、第三十四条「名称の使用禁止」である。

第三十四条 建築士でない者は、建築士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

 二級建築士は、一級建築士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

 木造建築士は、一級建築士若しくは二級建築士又はこれらに紛らわしい名称を用いてはならない。

建築士法 第三十四条 第1項~第3項までを引用

建築士法では、建築士でない者は、建築士やこれに類する名称を用いることを禁止している。
また、その職業範囲を超えた名称の使用も禁止されており、二級建築士が一級建築士を、木造建築士が一級建築士・二級建築士を名乗ることも禁止している。

さくら
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つまり、建築士に関する名称に関しては、許可された範囲内の資格のみ、名乗ることが許されることになります。
では、これを破った場合の罰則に関して見ていきましょう。

罰則に関する条文は、第三十七条~四十三条まであるが、該当部分のみ抜粋する。
名称の使用に関する部分として関係するのは、第三十七条と第条である。

第三十七条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 一級建築士、二級建築士又は木造建築士の免許を受けないで、それぞれその業務を行う目的で一級建築士、二級建築士又は木造建築士の名称を用いたとき。

建築士法 第三十七条 第1項 第1号までを引用

第三十七条では、免許を受けていない状態で、免許で定められている範囲の業務を行うときに名称を詐称した場合に関して記載されている。

さくら
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建築士でしかできない業務について、建築士の名を騙って業務することが該当となる条文です。
これを破ってしまうと、一年以下の懲役または100万円以下の罰金となってしまいます。

第四十条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

・・・・・

十八 第三十四条の規定に違反したとき(第三十七条第一号に該当する場合を除く。)。

建築士法 第四十条 第1項 第18号のみを引用

第四十条では、第三十四条の規定(この章の冒頭で説明。)による”名称の使用禁止”に触れた場合に関して記載されている。
第三十七条と異なる点は、業務を目的としているか・否か。
業務を目的とした建築士の詐称は三十七条に該当し、それ以外の名称使用は第四十条に該当する。

さくら
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免許を受けないと名乗れない「建築士」という名称を使用してしまった場合は、30万円以下の罰金となる場合があるわけです。

私、「さくら」については、以下の通りで問題ないので、ご安心ください。

  • 一級建築士の免許を受けているので、「建築士」という名称をブログ名に用いていることに問題はないです。

建築家とは

けんちく‐か【建築家】
建築物の設計・監理を職業とする人。

広辞苑より

広辞苑の定義を踏まえると、建築家は「建築物の設計・監理を職業とする人」であれば、誰でも名乗っても良いものとなっている。

ここで、広辞苑の説明では補足しきれていないが、ちょっと厄介な点として、「建築家」は資格や職業ではないことである。
そのため、広辞苑では「職業とする人」と定義付けてはいるが、実際には「職業としていない人」が名乗っても何も問題が無い。

つまり、「建築家」とは職業や経歴に関係なく、誰でも名乗っても良い呼び名である。

公益社団法人 日本建築家協会という組織が存在しています。
この組織では、建築家が集う組織体であることは示されているものの、この組織体に所属していなければ建築家ではないことは示されていません。
そのため、「建築家」というものについて、明確に定義付けられているわけではないと解釈できます。

さくら
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知人や先輩方を見ている限りでは、「建築家」は自称ではなく、他称で用いられていることが多いと感じます。

設計士とは

「設計士」という単語で広辞苑などの辞書には登録されていない。

そして、「設計士」は建築に関する資格や職業ではない

つまり、「設計士」とは職業や経歴に関係なく、誰でも名乗っても良い呼び名である。

さくら
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建築士の補助をしている人を設計士としているところもあるみたいですが、それはその会社の定義の話であって、一般的に扱ってはいけないと考えています。
世の中には「設計」を行う行為にあふれていますので、様々な業種に設計士さんはいるのだと思うからです。
私も設計ソフトを使いますが、機械関係を専攻している弟も設計ソフトを使っていますし、電気・レーザー系を扱っている叔父も設計ソフトを使っているので、「設計士」はどこにでもいるものだと思っています。

ただし、事実として、ハウスメーカーに「設計士」と呼ばれる方は多い。

さくら
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ハウスメーカーに「設計士」と呼ばれる方が多い理由は、個人としての顧客と接する機会が、他の職種と比べてハウスメーカーは多いからだと思います。
一方で、機械関係の設計士、車関係の設計士といった方々は、会社間での仕事が多いため、分かりやすい呼び名を使わなくても仕事が進められるため、設計士と名乗っていないのではないかと思います。

まとめ

建築士・建築家・設計士の違いに関するまとめ。

  • 「建築士」は、免許を受けた人しか名乗ることが出来ない国家資格。
    • 免許を受けずに「建築士」を名乗ると罰則となり得るので注意が必要。
  • 「建築家」・「設計士」は誰でも名乗ることが出来る呼び名。
さくら
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建築関係の方と仕事をされるとき、名刺についている肩書が資格なのか・呼び名なのかは気になるところと思いましたので、違いについてまとめてみました。
資格を持っている=凄いという訳ではないですが、国家試験を合格し、免許を受けている「建築士」については、所有している知識に対して一定の信頼を持っていただけると嬉しいですね。
また、「建築家」・「設計士」については、名乗っている=建築に詳しいとも限らないので、肩書や呼び名を信頼しきらず、自分の目で見極めることが重要です。

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